国語教育いろいろ

高校、大学の現場での議論のいろいろです

2021-01-01から1年間の記事一覧

ティム・オブライエン「待ち伏せ」と大岡昇平「俘虜記」の読み比べ。その3(高校一年生)

■「待ち伏せ」「俘虜記」を読み比べて考えたこと(例3) 提出作文から抜粋・編集して、二作品から得られたことを整理してみたい。引用については、流れに整合性がつくように適宜表現を変えたところがある。 感想から。兵士の内面にふれたことは多くないと思…

ティム・オブライエン「待ち伏せ」と大岡昇平「俘虜記」の読み比べ。その2(高校一年生)

■「待ち伏せ」「俘虜記」を読み比べて考えたこと(例2) ▼いくつかセレクトした。趣旨が通るように、カットしたり、字句を修正したところがある。 ●人を殺す、あるいは殺されるという、究極の極限状態に追い込まれたとき、人はどうにかしてその死から逃れよ…

ティム・オブライエン「待ち伏せ」と大岡昇平「俘虜記」の読み比べ。その1。(高校一年生。)

ティム・オブライエン「待ち伏せ」と大岡昇平「俘虜記」の読み比べ。その1。 ■「待ち伏せ」「俘虜記」を読み比べて考えたこと(例1) ▼いくつかセレクトした。趣旨が通るように、カットしたり、字句を修正したところがある。 ●私は「恐怖」とは何かという…

一〇〇%の女の子が僕を僕にしたこと

一〇〇%の女の子が僕を僕にしたこと 高校生が読書会を始めた。高一の男子二人と女子一人、それに若い国語教師がつきあっている。私も図書館の当番をさぼって、少し顔を出した。一階の隅、森を背にした薄暗い資料置き場に下りていく。 彼らが読んでいたのは…

案 効く古典

どんなときに、効くか。 古典の一節、ある内容が、 現代人に効くことがある。 どんなときに効くか、 学習者なりに分類し、 コメントする。

「論理、論理」の合唱

なぜか、2018年12月3日の対談が今、掲載されている(2021.11.10)。https://www.taishukan.co.jp/kokugo/media/blog/?act=detail&id=39 「論理、論理」の合唱への記録の一つとして。 野矢:でも、だいぶ小学校、中学校は変わってきていると思いますね。高校…

間の文化 教科書教材を批判する視点

長谷川櫂「間の文化」の模擬授業後の協議は、批判的に読む、ということの実例みたいになってましたね(笑) 誤解なきように書いておきます。間、に注目した長谷川さんの文章、興味深くないというわけではありません。 間、と呼ばれているものの働きは、長谷…

「論理的思考」の社会的構築 渡邉雅子

この本を読んでいますが、国語の立場からも、とても興味深いです。小論文、論理、の問題だけでなく、価値目標、技能目標の問題、それから古典教育の問題も含んでいます。https://synodos.jp/opinion/society/27360/

図書館という居場所

図書館サポーターのことが記事の終わりの方に出てきます。 https://www.sankei.com/article/20211013-NIJERTPHZRPYXKCVPL3XMJQXRU/

説明のていねいさ

(2020.10.04)●説明のていねいさ 説明のていねいさと冗長さは別です。ていねいというのは、たくさん言葉を費やすことと同じではありません。教室でのていねいさとは、「生徒が理解したか」にかかっています。 例えば「けり」のおさらいをした。当てた生徒は…

文法の扱い

(2020.10.04)●文法の扱い 本文を初見で独力で制限時間内に解釈する、という条件の中では、文法知識が自然な感覚として働くように訓練されている必要があります。そのこともあって、これまで文法にかなりの時間が割かれていました。 しかし一方、文法のせい…

音読、追従読み

(2020.10.04)●音読、追従読み 「音読、追従読みの際のフレイズが少し長い」というのは、他の人たちの模擬授業でも繰り返し感じていることです。 これからやるみなさんは、まずは、40人の教室の声が一息にそろう長さを意識してみて下さい。初めは、ばらばら…

関連情報から深く読み込む

(2020.10.04) ●関連情報から深く読み込む 「露」と「消ゆ」は縁語、という話がOさんの授業で出ましたね。聞いていて「縁語」って何なんだろう、と思いました。縁語という技法の本質って何なのでしょう?どなたか、解説してくれませんか。 「露」という言葉…

教科書に書いてある訳を生徒に読ませること

(2020.10.11)※4限で話題になったことへのコメントを転載しておきます。 ●教科書に書いてある訳を生徒に読ませること 書いてあることを音読させるのは、教室全体で共有するという意味があります。 これは音楽の授業に似ています。 音と目、そして、手がそ…

関西大学『教職支援センター年報』

関西大学『教職支援センター年報』への投稿原稿はここから。 桝井の論考は、 2015 2016 2017 2018 2020 2022 にあります。 https://www.kansai-u.ac.jp/kyoshoku/statistics/report.html