(2020.10.04)
●説明のていねいさ
説明のていねいさと冗長さは別です。
ていねいというのは、たくさん言葉を費やすことと同じではありません。
教室でのていねいさとは、
「生徒が理解したか」にかかっています。
例えば「けり」のおさらいをした。
当てた生徒は即答した。
でも、教室全体は「そうそう」とうなずく子と「あ、そんなのあったっけ」という子が混じっている。
そのことに教師は気づく。
で、どうするか。
そこで文法の本に戻って「説明」を繰り返すのか。
それは冗長です。
正解、は出ているのですから。
「けり」が出てくるたびに聞くのか。
それも冗長です。
「昔こんなことがあったそうだ」ということを示すのが「けり」でしたね。
この本文には他にも「けり」がいくつも出てきます。
すべてに線を引いておきましょう。
――これなら、20秒ぐらいで全員完了します。
かつ、「ていねい」です。
当てられた子以外も「けり」のおさらいをしたことになります。
「けり」は「ける」にもなるんだ、
ということもついでにおさらいすることになるわけです。