国語教育いろいろ

高校、大学の現場での議論のいろいろです

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ティム・オブライエン「待ち伏せ」と大岡昇平「俘虜記」の読み比べ。その3(高校一年生)

■「待ち伏せ」「俘虜記」を読み比べて考えたこと(例3) 提出作文から抜粋・編集して、二作品から得られたことを整理してみたい。引用については、流れに整合性がつくように適宜表現を変えたところがある。 感想から。兵士の内面にふれたことは多くないと思…

ティム・オブライエン「待ち伏せ」と大岡昇平「俘虜記」の読み比べ。その2(高校一年生)

■「待ち伏せ」「俘虜記」を読み比べて考えたこと(例2) ▼いくつかセレクトした。趣旨が通るように、カットしたり、字句を修正したところがある。 ●人を殺す、あるいは殺されるという、究極の極限状態に追い込まれたとき、人はどうにかしてその死から逃れよ…

ティム・オブライエン「待ち伏せ」と大岡昇平「俘虜記」の読み比べ。その1。(高校一年生。)

ティム・オブライエン「待ち伏せ」と大岡昇平「俘虜記」の読み比べ。その1。 ■「待ち伏せ」「俘虜記」を読み比べて考えたこと(例1) ▼いくつかセレクトした。趣旨が通るように、カットしたり、字句を修正したところがある。 ●私は「恐怖」とは何かという…

一〇〇%の女の子が僕を僕にしたこと

一〇〇%の女の子が僕を僕にしたこと 高校生が読書会を始めた。高一の男子二人と女子一人、それに若い国語教師がつきあっている。私も図書館の当番をさぼって、少し顔を出した。一階の隅、森を背にした薄暗い資料置き場に下りていく。 彼らが読んでいたのは…