国語教育いろいろ

高校、大学の現場での議論のいろいろです

メリーゴーラウンド 自発的な教材開発

今回の模擬授業には、
教材の開発というテーマがありました。
教科書をやる。
なぜなら、それは教科書だから。
そういう態度を超えていくものが
ここには潜んでいます。

この自発性は、
教育という仕事において、
決定的に重要です。

この作品を読ませたい。
そこがスタート地点になっていましたね。
やはり、国語の出発点はそこにあるだろうと思います。
もちろん、こんな活動をやりたい、
こんな力をつけたい、
ということから出発してもよいのですが、
そのとき、
力のある教材の見当がついていなくては、
なかなか設計は難しいものです。

協議の中にもありましたが、
力のある教材である資格の第一条件は、
授業者がそこに力を感じていることです。
心震え、
圧倒される経験。
そこに授業の種が受胎します。

いつも「これは教材になるかも」
という意識が働くようになったとき、
ふだんの読書や情報収集の質が変わってきます。
実際にそれを授業を使わなくても、
そのような可能性を思い浮かべることは、
愉快なことです。
読みを他者に問いかけ、
共有する可能性が開かれるからです。

教材化するとは、
編集することです。
今回は、
全編を見せてもらいましたが、
授業の目標に合わせて、
採る範囲を限定したり、
あらすじを添えたり、
あえて小出しに示したり、
さまざまな手が加えられてもよいのです。

●自発的に教材を開拓し、
●その価値を最もよく生かす授業を構想し、
●その目標と過程に合わせて教材を編集する。

これができるようになれば、
独立したプロと呼べるでしょう。

このことを踏まえて、
さて、では、
メリーゴーラウンドでは、
何をどのように扱うことが
この作品の価値を教材化することに
つながるのか、
学び手の読みの力を増すことにつながるのか、
その模索が始まるのです。