国語教育いろいろ

高校、大学の現場での議論のいろいろです

部分と全体

文章を理解するとき、

部分と全体の問題は、

本質的な課題となります。

 

部分が全体を支えるだけではなく、

全体もまた部分を支えているからです。

 

事実と意見から成る部分的ブロックが、

幾層にも積み重なって

文章全体が構築されます。

 

ただ文章は、

図形や建築物と違い、

空間的というよりは

時間的な構成物です。

 

さらに下部を支えるのは、

一文の構文や単語や表記です。

 

読解の課題は、

部分の理解をどのように

全体の理解に結びつけるか、

同時に

全体の見通しを

どのように細部のより深い理解に結びつけるか、

です。

 

部分がわからなければ

全体がわからない。

全体がわからなければ

部分の意味もわからない。

 

この俯瞰しつつ、

刻々とテキストを理解していく

営みが読解です。

 

解釈学的循環という言葉があります。

フラクタル図形を見て

それを思い出しました。

https://kotobank.jp/word/%E8%A7%A3%E9%87%88%E5%AD%A6%E7%9A%84%E5%BE%AA%E7%92%B0-224848