今日は漢字の取り立て授業の提案でした。
漢字の問題は、
教室でのタブレットの普及に伴い、
ますます問題化してくると予想されます。
漢字の表音文字化は
どんどん進んでいる実感があります。
生徒の誤字の中に以前では考えられないような、
同音異義の使い方が見られます。
例えば、異義と異議の混同なら
以前もありました。
しかし、
そこに「意義」も混じってくるという具合。
もう書けなくていい。
変換できればいい。
それが言語生活の実態だから。
ーという議論もあります。
どう考えますか。
最後の活動ー新しい漢字語を考えるという活動は、
教室を活性化させるおもしろい試みだと思います。
そしてこれは、
今日の授業にもあった、
日本語の外来語受容史の一端に触れる活動でもあります。
明治初期、
西欧語を漢字表現する創作の努力があったことはご存じでしょう。
シャーペンをどう表そうか、
というのと似た努力があったわけです。
正岡子規が野球好きだったのは有名です。
野球という訳語は彼の発明だ、
いや違う、という議論もあります。
https://www.asahi.com/articles/ASQ716JMLQ6FPTLC01V.html
野球部が喜ぶ教材を紹介しておきます。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000305/files/43619_16934.html
正岡子規がベースボールのルールを文語で説明しています。
ピッチャーは「投者」、
イニングは「小勝負」などと書いています。
除外ーアウト三人に及べば防者代りて攻者となり攻者代りて防者となる。かくのごとくして再び除外三人を生ずればすなわち第一小勝負ーインニング終る。かれ攻せめこれ防ぎおのおの防ぐ事九度、攻むる事九度に及びて全勝負ーゲーム終る。
今日の活動は、
日本語のハイブリッド性ー雑種性を学ぶことにもつながります。
教育漢字の数や選択の問題は、
漢字統制が国家的な政策の問題だという学びにも接続できます。
どの字形、読みを、正規とするか、
どの字を表に入れるか、
という問題は極めて政治的、社会的な次元の問題です。
今日の授業をきっかけに、
漢字や表記の問題を勉強し、
授業構想を立ててほしいなと思います。
何かの模擬授業をするとき、
漢字の取り立て指導を考えてみるのもいいと思います。
(よく半端な時間を使ってやりました)