梅満開。
香りが風に乗って広がります。
登校日もたくさんの本が借りられました。
ゆっくり読めているかな。
今年の貸出数は例年より2800冊(!)近く多かったのです。
自発的・習慣的に本を読む人が増えているのはうれしいことです。
借りられている本の種類を見ても、
さまざまな世界への関心が広がっているのを感じます。
登校日、
加藤陽子 『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』を借りた人がいました。
別の人は、
「ロシア」「ウクライナ」「プーチン」 という語を含んだタイトルの本を借りていきました。
世界が揺れています。
梅の花にまとわりつく小鳥のさえずりを聞くとき、
耳の奥底で亡霊のように砲声が響きます。
平和を。
平和を。
一年生のみなさんは(もしかしたら二年生も)、
教科書でティム・オブライエン「待ち伏せ」 という小説を読んだでしょう。
1969年のある未明、
語り手は、
その過去の一瞬がもたらした幻影に今も苦悩する――。
この作品は『本当の戦争の話をしよう』という本の中の一篇です。
「禅僧ティク・ナット・ハン―怒りの炎を抱きしめる」 という番組の動画があります。
ティク・ナット・ハンは、
ベトナム出身の禅僧。
ベトナムの戦争の時代を仏教者として生き、
〈怒りの炎〉を鎮めることを説き、実践しました。
米国のキング牧師とも相通じ、
ノーベル平和賞候補にも推薦されました。
長く祖国に戻れませんでしたが、
フランスに拠点を置き、
「マインドフルネス」の教えを世界に広めました。
番組の45分過ぎ、
「待ち伏せ」を読んだ人には
より深く胸に刺さることでしょう。
そして同時に
怒りや憎しみを乗り越える道がはっきりと見えることでしょう。
ゆっくりとした時間に
ぜひご覧あれ。
追記。
次の映画もどうぞ。日本語字幕設定可能。
https://www.youtube.com/watch?v=DRObW9noiVk
ティム・オブライエン『本当の戦争の話をしよう』【933/O/ 】
ティク・ナット・ハン『怒り―心の炎の静め方』【188/T6/ 1】
ティク・ナット・ハン『ブッダの幸せの瞑想 マインドフルネスを生きる―ティク・ナット・ ハンが伝えるプラムヴィレッジの実践』【188/T6/2】